トマトは夏野菜ですが、ハウス栽培によって年中、供給されています。
さらに、品種の数も多数あり、調理の用途に応じて使い分けることができ、食卓を明るくしてくれる優れた栄養食材です。

【トマトの歴史】
トマトは、ナス科で南米ペルーを中心としたアンデス高原の太平洋側の地域が原産地と言われています。当時、８〜９種類の野生種のトマトが自生していて、すべて現在のミニトマトのようにたくさんの小さな実をつけていたそうです。
これがやがてメキシコで食用として栽培されるようになりヨーロッパに広がりました。当時はまだ有害植物だと信じられていたため、観賞用とされていました。

ヨーロッパで食されるようになったのは、18〜19世紀になってからです。
食用として認められてからは、旨み成分のグルタミン酸とアスパラギン酸が含まれていること、酸味と赤い色が食欲をそそることで料理のベースに利用されるようになりました。

日本には17世紀半ばに観賞用として伝わり、食用とされたのは明治以降です。
一般的に普及したのは昭和に入ってからで、それ以来ハウス栽培によって年中流通するようになりました。トマトの旬は6〜9月です。

【栄養について】
皮の赤い色素に含まれるリコピン→🍅β-カロテンの倍の強い抗酸化作用があり
　　　　　　　　　　　　　　　　　ガンや動脈硬化などの予防効果が高いと言
　　　　　　　　　　　　　　　　　われています。
　　　　　　　　　　　　　　　　🍅食卓を明るくし食欲をそそります。
カロテン→🍅橙色や黄色。ガン予防・動脈硬化・老化抑制に効果があります
ビタミンC→🍅コラーゲンの形成を助け、肌や骨の健康を促進します。
　　　　　　🍅免疫力を高め風邪予防に効果的な抗酸化作用が強い。
クエン酸→🍅食欲をそそります。ナトリウムのミネラル吸収をサポートする
　　　　　　働きがあるので、水分補給にクエン酸含有のものを使用すると、
　　　　　　熱中症による脱水症状を改善できる効果があります。
　　　　　🍅カルシウムと一緒に摂取することにより、骨の健康増進につなが
　　　　　　ります。
グルタミン酸・アスパラギン酸→🍅旨み成分で料理のベースになり、塩分削減
　　　　　　　　　　　　　　　　につながります。

※リコピン・ビタミンC・カロテンとも抗酸化作用があり、ガン予防や動脈硬化の予防に高い効果があることが分かります。

【性質について】
熱に強く、脂溶性のため油によって吸収率が高まる。油と相性がいいです。
特徴的な風味によって魚・肉の臭みを消し旨みを増してくれる料理のベースとして優れています。


【トマトと相性のいい食材】
じゃがいも・ブロッコリー・にんにく・玉ねぎ→老化防止
キャベツ・唐辛子・ほうれん草・チンゲン菜→ガン予防、血行促進
レモン・カリフラワー・ピーマン・パセリ→高血圧予防
酢・オレンジ・りんご・いちご→疲労回復、肩こり予防・緩和
みかん・いちご・レモン・キウイフルーツなどのビタミンCを多く含む食材
→美肌効果によい。

【相性が悪い食材】
きゅうり
※意外ですが、きゅうりの含まれる酵素（アスコルビナーゼ）がトマトのビタミンCを破壊してしまうと言われています。（相殺効果）

【育ちについて】
昼夜の温度差が大きほど色が鮮やかになると言われていますので、そういう地域のトマトは美味しく育つでしょう。
主な生産地→熊本・千葉・茨城・北海道・愛知など

【種類】
桃太郎：大玉のトマトとしては主流の品種で果肉がしっかりしていて実が崩れ
　　　　にくい。果肉部分よりもゼリー部分が多い。　
ファースト：春先に出回る先端のとがったトマト。ゼリー部分より果肉部分が多
　　　　　　い。
フルーツトマト：糖度が８〜９度と高いトマトで、果物のような甘さが広がる。
ミディトマト：中玉トマト。色々な用途に使われる。
ミニトマト：サラダに利用される小玉トマト。プチトマトともいわれ、赤・黄・
　　　　　　オレンジ色もある。
料理用トマト：調理・加工（ピューレ・缶詰）用

【良品の見分け方】
🍅形がよく、全体が均等に赤く色づいたもの。
🍅持った時にずっしりと重く感じるもの。
🍅ヘタが緑色でピンとしており、しおれていないもの。
🍅先端が星状の筋がでているもの。
※上記の写真で、大きいトマトの筋がはっきり見えます。これは甘みが多いものによく見られまして、生食に適しています。水分をカットされると筋がはっきり出て甘みが出ます。
水分の多い方は、スープやソースなどに適していますので、料理の用途に応じて使い分けるといいと思います。

【保存法】
🍅夏は、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存。冷やし過ぎは味の低下につながりますので注意。
🍅夏以外は、常温で置きます。赤く色づいたものは早めに食べて、青みの残ったものは数日で赤く色づきます。

【トマトを使った料理】

評価